もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

翻訳検定のメリット・デメリット ~第30回JTF翻訳祭視聴中~

タイミングが合わずにリアルタイム視聴はできないのですが、録画をぼちぼち消化しています。

 

本日見たセッションは『翻訳検定試験を通してしっかりとした翻訳者の道を開きましょうーー検定の上手な使い方』。

セッションの対象は、翻訳学習者~経験の浅い実務者といったところでしょうか。内容は、翻訳検定の宣伝がメインで、翻訳検定のウェブサイトを見れば書いてあることが多い印象です。

 

翻訳検定を受ける意味ってあるの~?(翻訳検定にかかわらず、翻訳力って試験で計れるの~?) という疑問が翻訳者間でよく呈されますが、今回のセッションではイマイチ疑問が解消されず。

翻訳祭参加者限定(かつ期間限定公開)のセッションなので、もう少し突っ込んだ話が聞きたかったです。(1 級、2 級のレベルの違いってぶっちゃけどのくらいあるの?とか。Q&A タイムが用意されているのでリアルタイムで参加して質問すべきなんですが…)

 

さてさて。

私もフリーランスになりたてのときに翻訳検定を受けました (そのときのブログ記事がこちら)。

2 級に合格してから 2 年半が経ちます。

その後、再度翻訳検定を受け直すことはしていないのですが…、今考える翻訳検定のメリットとデメリットをまとめてみました。

 

メリット

  • 仕事につながる → JTF 公式 Web サイトで合格者プロフィールを公開したところ、トライアルのお誘いが (まれに) ありました。翻訳者を積極的に探している翻訳会社からお声がけいただけるので、自分から応募するよりもトライアル合格可能性が高い気がします。
  • トライアルや実務のシミュレーションになる → 制限時間内に一定量を訳さなければいけないという点で、よいシミュレーションになります。
  • キャリアアップのマイルストーン → 試験をスケジュールに組み込むことで、勉強の習慣が強制的に付きます。

デメリット

  • 試験で測れない能力もある → 用語集やスタイルガイドに従うことができるか、分量の多いドキュメントを指定期間に訳せるか、ツールを使いこなせるか、など実務で重視されるにもかかわらず測れない能力もあります。
  • 実ジョブより難易度が低め (賛否あると思いますが) →  幅広い翻訳者が受ける検定なので、その分野の基礎知識があればわかる程度の難易度の文章です。文章量についても、制限時間に対して少な目です (翻訳で生計を立てるなら、同じ時間内でもっとこなしたい)。
  • 試験結果のフィードバックがない → 試験結果は「〇級合格」というのが分かるだけなので、どこが悪かったのか、自分の弱点は何なのかが分かりません。

 

翻訳検定をお勧めするかどうか?

上記のメリットに魅力を感じる人にはお勧めします。既に翻訳のお仕事で忙しい人はあえて受ける必要はまったくありません~