もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

第32回翻訳祭 印象に残ったプログラム: 『翻訳学校って行った方がいいんですか?』

10 月末から始まった翻訳祭ですが、アーカイブの配信期間ももう折り返しですね。

公開されているアーカイブのうち、半分くらい見終えたところです。

その中でも印象に残ったのが、掲題の『翻訳学校って行った方がいいんですか?』。

 

翻訳学校といえば、翻訳「学習者」が通うところでしょ? …ということで、既にプロとして仕事をしている翻訳者には一見関係のなさそうなところです。

実際、私も今まで翻訳学校に興味を持ったことはありませんでした。以前はスケジュールや距離、学費の関係で通えるわけもなかったので、選択肢にもならなかったのでした。

翻訳会社勤務時代の同僚には翻訳学校出身者が何人かいましたが、全員が全日制の出身だったので、翻訳学校といったら全日制というイメージが強く、それがいっそう翻訳学校を自分には縁のないものと感じさせていたのかもしれません。

 

さて。

このセッションには、翻訳学校の全日制コースの講師と受講生、単科制コースの講師と受講生が登壇します。

プロが興味を惹かれるのは「単科制」の話でしょう。IT、法務、映像など、特定分野の翻訳について (大抵は週 1 や月 1 で) 学ぶコースです。どんな受講生が通っているのか、どんなレベルの授業が行われているのか…もし自分がそこに通ったとしたら何が得られるのか?

 

いろいろな話が出ましたが、プロにとってもメリットになるな、と思ったのは、

・自分のレベル・実力を客観的に評価してもらえる

・仲間  (同期や先生とのつながり) ができる

・勉強するモチベーションの維持

といったところ。

 

上記はいずれも、翻訳学校に行かなくても個人の努力次第でなんとかならないこともないのですが (有志の勉強会を開催したり、SNS やネットワーキングイベントを活用したり、etc.)、学校に行くと自分で用意しなくてもそういった環境が整っている (いそう) なのが良さそうです。。。

 

今回のセッションは通学を前提に話していましたが、通信教育を行っている学校もありますね。コロナ禍前の通信教育は、好きな時間に受講できて、費用もリーズナブルといったメリットがある一方、授業はテキスト・動画で基本的に一方通行、講師と受講生の間のコミュニケーションの制限が大きく、受講生間の交流はない…といったものがほとんどだったように思います。

しばらく前からは Zoom などを使った双方向の通信教育も出てきていて、ちょっと気になっています。始まってから期間が浅い形態なので、受講生の傾向やメリット・デメリットなど確かなことが言えるようになるにはまだしばらくかかるでしょうが、どんなものなのか聞いてみたいところです。