ゲーム音楽作曲の裏側が知れて面白かったこの本。
ゲームサウンド制作ガイド ―インタラクティブな音楽のための作曲技法 (GAME|DEV|LAB)
- 作者:Winifred Phillips
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
作曲そのもの以外のお仕事のプロセスも解説されているのも、本書の魅力です。
著者のようなフリーの作曲家が携わる場合、チームに加わるのは大抵ゲーム開発の後半で、仕事はリモートで行い、開発者とのやり取りは電話かメールかチャット。さらに、ゲームの開発資料がリークしないように NDA を交わす、と、なんだかゲーム翻訳者みたいですね?
そう思いながら読み進めていて驚き (?) だったのが、第 7 章『資料収集とワークフロー』。
作曲開始前に作曲家が入手しておくべきゲームに関する資料と、ゲームにマッチした曲を作るために必要な調査や準備について書かれた章です。
特に資料収集に関しては、開発者から以下の資料を入手すべき、と書かれています。
もちろん、ゲームの開発規模などいろいろな条件によって得られる資料は異なるでしょうが…
作曲家は (要求すれば) こんなにいろいろ資料を提供してもらえるの!?
ゲーム翻訳でもこんな資料がほしい!!
どうして翻訳対象のテキスト (しかも順不同 or アルファベット順でコンテキストが不明なことが多いorz) しかくれないんですか!?
…と、昔やったゲーム翻訳のお仕事を思い出してモヤモヤしてしまいました。
とても短納期だったし、資料を要求しても納期までに得られないだろうな (間に翻訳会社とかいろんな人が入って時間かかるし、あれば作業開始時点で提供してくれるよね)、と思ってあきらめていたのですが、とりあえず要求してみるべきだったのかしら。
ゲーム音楽そのもの以外にも、より良い成果物を作るためのプロ意識や営業努力のお話も参考になる点が多い本でした。