訳のアイデアというか、こう訳せばよかったんだ、と後になってわかったのでメモ。
先日久々にリーガル関係の翻訳をやったのですが、「identifiable/recognizable persons appearing」のしっくりくる訳が思い浮かばず。
「identifiable/recognizable persons appearing」は、写真や動画のコンテストの応募規約のほか、写真や動画のアップロードができるアプリケーションやサービスの利用規約などに出てくるフレーズです。
You must have the express consent of any identifiable persons appearing in the video. のような形で使われます。
ここで悩んだのが appear の訳。
「動画に現れる」?「動画に登場する」?「動画に出演する」?
この identifiable persons が主体的に動画に出ている人ならこういった表現もいいのですが、たまたま撮影現場に居合わせた人だったら、これらの動詞はイマイチしっくりこないのです。
かといって、辞書に相談しても、現れる、出現する、登場する、お目見えする、お出ましになる、姿を見せる…と多少バリエーションは増えるものの、まだまだ。
納期がタイトな案件だったので、この辺で調査を切り上げることに。
結局妥協して「動画に現れる」などと訳して納品してしまったのですが、納品してからも元々日本語で書かれたコンテストの応募規約をいろいろと調べてみて、「動画に映っている、個人を特定可能な人物」とすればよかったんだなぁと思い至ったのでした。
辞書の訳語にとらわれていたなぁ、と思った出来事でした。