もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

翻訳で使える inurl 検索の Tips

翻訳作業の大きな味方が Google などのインターネット検索エンジンです。翻訳作業の少なくない時間を検索に費やしている方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、最近は何かを調べようとしても、アテにならない記事がたくさん出てきて信頼できる情報を見付けるのに時間がかかる…なんてこともよくあります。

 

Google 検索では、単純にキーワードを入力するだけでなく、検索オプションを追加で指定することで、検索結果を絞り込むことができます。うまく使いこなせば、検索時間を大幅に短縮でき、作業効率アップにつながります。

 

今回は、数ある検索オプションの中から、URL に特定の文字列を含むページだけを検索対象とする inurl 検索について、ちょっとした小ワザをご紹介します。

inurl 検索とは

Google 検索をするときに、検索キーワードに追加で「inurl:<文字列>」を追加すると、URL に <文字列> を含むページだけを対象に検索が行われます。

例えば、こんな感じに入力してみます。

この結果は次のようになりました。microsoft.com が URL に含まれるページだけがリストアップされています。

検索ワードから「inurl:microsoft.com」を削除して、もう一度検索してみると、次のようになりました。

microsoft.com 以外のページも検索結果に含まれるようになりました。検索結果のトップに表示される結果の件数も、154,000 件から 29,400,000 件に大幅に増えています。

inurl 検索の便利な使い方

先ほど inurl 検索の例をお見せしましたが、今まで inurl 検索を使ったことがない方には、どうすれば効果的なのか、どれくらい便利なのかがピンとこないかもしれません。

次は、inurl: の後にどのような文字列を指定すると検索が効率的になるのか、いくつかのパターンをご紹介します。

企業/団体の公式情報を調査する - 企業/団体のドメイン

前のセクションの例で使ったように、「inurl:microsoft.com」など、企業や団体のドメイン名を指定すると、検索対象をその企業/団体が公開しているページだけに絞ることができます (ドメイン名って何?という方はこちらをご覧ください)。

すると、情報の裏を取る際に、一次資料にすばやく当たることができるので、時間を節約できます。

また、この企業では XXX の訳語はどうなっているだろう?「インターフェイス」と「インターフェース」のどちらの表記が好んで使われているだろう?という細かい確認をするときにも便利です。

政府、大学など信頼性の高い情報源だけを検索対象にする - go.jp、ac.jp

「inurl:go.jp」や「inurl:ac.jp」を指定すると、検索対象を政府機関や教育機関に絞ることができます。ドメイン名に「go.jp」を含めることができるのは日本の政府機関や各省庁所管の研究所、特殊法人独立行政法人だけ、「ac.jp」を含めることができるのは日本国内の高等教育機関、学術研究機関だけと決まっているからです。

政府機関や高等教育機関が公開している情報は、一般的に考えて、信頼できるものと言えます。翻訳物を納品する際、参考にした情報を申し送ることがありますが、参考資料として「政府や大学が公開している記事」は説得力があります (「無名の人が書いた記事」を参考資料としてもよいのですが、その記事に誤りが含まれていないかなどをダブルチェックすることもあるので…)。

また、外国の政府組織名や法律名の訳を調べるときも、「inurl:go.jp」が活躍します。

特定ジャンルの文書を探す - faq、terms-and-conditions、agreement、whitepaper

定型的な書き方がある文書でどんな表現が使われているのかを調べるとき、その文書のファイル名に使われがちなワードを inurl: に指定すると、そのものずばりな文書が簡単に見つかります。

例えば、単に「契約書」と検索すると、契約書を作るときの注意点や、契約書の意義などを解説したページがたくさんヒットしますが、実際の契約書そのものが載っているページはなかなか見つかりません。一方、「契約書 inurl:agreement」と検索すると、検索結果に含まれる契約書そのものの割合がぐっと上がります。さらに、契約書の特定の項目の実例を見たいときには、「免責事項 inurl:agreement」、「個人情報 inurl:agreement」などと入力して検索しましょう。

よくある質問なら「inurl:faq」、利用規約なら「inurl:terms-and-conditions」、契約書なら「inurl:agreement」、ホワイトペーパーなら「inurl:whitepaper」などと組み合わせて検索するのがオススメです。

初心者向けの平易な情報を探す - overview、tutorial、gettingstarted

自分があまり詳しくない分野の情報を探すときにオススメなのが、「inurl:tutorial」、「inurl:overview」、「inurl:gettingstarted」などです。初心者向けページの URL に使われることが多いキーワードなので、ある事柄に関する基礎知識を入手したいときに便利です。

単に「XXXX 入門」や「XXXX チュートリアル」とかで検索してもいいのですが、「XXXX入門」というタイトルの本の紹介ページがたくさん出てきて邪魔なときなどに inurl: を使って結果を絞ると快適になります。

用語集や用語の定義を探す - glossary、terminology、definition

何らかの用語の意味を探したいときにオススメなのが、「inurl:glossary」、「inurl:terminology」、「inurl:definition」です。

「XXXX 意味」「XXXX 用語集」で検索すれば十分なことが多いですが、「inurl:glossary」などを組み合わせると検索結果に出てくるページが大きく変わることがあるので、さまざまな情報源に当たりたいときに重宝しています。

おわりに

ここまで inurl を使った検索に使える便利なキーワードを紹介してきましたが、あくまで私個人の経験に基づくものです。専門分野が違えば役立つキーワードもまた違うもの。自分の専門分野に合ったキーワードをぜひ探してみてください。

その他の検索オプションと参考資料

inurl の他にも、検索結果を絞るためのオプションはいくつもあります。例えば、検索対象をページ タイトルだけに絞る「intitle:」、特定のファイル形式 (word、pdf、pptx など) だけに絞る「filetype:」 、特定のワードを検索対象から除外する「-」など。

各種オプションを使った検索は Google検索オプション ページからもできるので、どんなオプションがあるのか覚えるまではこのページから検索するのがお勧めです (ブックマーク推奨)。

 

『ビジネスGoogle活用術』

Google 検索や他の Google サービスは直感的に利用できてしまうので、わざわざ使い方を学ぶ必要性を感じることはあまりありません。そのせいか、サービスの使い方を解説した Web ページはあれど、書籍ベースの情報源はかなり少ない気が。

そのような中で、『ビジネスGoogle活用術』は 10 年以上前に読んで、Google 検索を使いこなしたい!と思う契機になった本です。

 

検索エンジンはなぜ見つけるのか』

検索エンジンの仕組みについて、初心者向けに解説した本。初版は 2011 年と 10 年以上前ながら、現在でも通用する内容です。検索エンジンの仕組みと限界を知っておくと、効率的な検索テクニックを身に着けるうえで役立ちます。