もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

翻訳会社は何をしているのか?~第30回JTF翻訳祭聴講中~

もうすぐ翻訳祭の見逃し配信期間が終わってしまう!ということで慌てて未視聴分を消化しております。

 

今回チェックしたのは、

「翻訳案件管理をTBMS (翻訳案件管理システム)を使って 自動化する方法」と「翻訳業界における自動化ー取り組みの最前線と課題」の 2 つ。

いずれも <サポーターウェビナー> という位置付けです。サポーターウェビナーというと、自社製品やサービスを売り込むための宣伝セッションでしょ?という印象があるのですが、この 2 つは翻訳会社内の業務ってこうなっているんだな、ということを知れたのでなかなか興味深かったです。

 

この 2 つのセッションはいずれも、「翻訳会社にはどのような管理業務、作業があるのか」、「その作業を自動化するにはどうすればよいのか」を取り扱っています。

翻訳会社の仕事なんてクライアントからファイルをもらって翻訳者に渡すだけでしょう、と思われがちかもしれません。が、タスクの管理、翻訳者のスケジュール管理、翻訳者やクライアントとのメールのやり取り、翻訳者の評価、翻訳ツールの管理、翻訳資産の管理、発注書の発行、振込先情報の管理といった、こまごまとした面倒な作業がどの翻訳会社でも発生しているのですね (もしかしたらファイルをもらって渡すだけの会社も存在しているかもしれませんが)。会社の規模が大きくなってくるとそれらの管理が大変になってくるので、自動化ツールを取り入れて効率化するわけです。

 

各セッションで、翻訳者のプロフィール管理のためにどのような情報をシステムに入力しているのかや、そのプロフィール情報を基にどのように翻訳者をピックアップして (例えば、そのソースクライアントを担当した回数や、翻訳の質の高さ、単価などでソートして) 打診メールを送っているのかのデモがあり、非常に興味深く拝見しました。

翻訳会社に登録したけれどなかなか依頼をもらえない~というのは翻訳者あるある…なんですが、こうやってプロフィールが管理されて、システム的に打診する対象をピックアップしている会社もあるのだな、というのを実際に見ると、条件次第では簡単に打診対象外になると諦めがつくようになります。一応、登録時に提供するプロフィールにはこういう情報を盛り込んで充実させよう…と対策を練りますが。

翻訳者の評価についても同様で、なるほどこういうポイントを評価軸にしているんだなーというのがデモから何となく見えてくるようでした。

 

日頃ベールに包まれている翻訳会社の業務ですが、その具体的なところを知ることができる良い機会でした。