もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

翻訳会社との契約書をじっくり読む日。

しばらく前、新しい翻訳会社に登録をする機会があって、大ボリュームな契約書を読むことになりました。

 

海外の会社は契約書が詳細に書かれているところが多いですね。日本の翻訳会社の契約書はわりとあっさりしている気がします(JTF が翻訳契約書のひな型を公開していますが、だいたいこんな感じ)。よくよく思い起こしてみると契約書を交わしていない会社もありますよ...。

枚数の多い英文契約書を読むのは大変ですが、会社(業界)でよくあるトラブルを反映したであろう最新版だったので、気づかされることが多々ありました。蛍光ペンで線を引く引く。同時に、既に取引している他社の契約書も見直しました。

 

契約書に載っているとなるほどなあ、と思う条項はこんな感じです。

 

  • 直取引の禁止。翻訳会社を差し置いて、ソースクライアントと直取引を始めないこと。
  • 機械翻訳の禁止。セキュリティ上の理由で、Google 翻訳など、サードパーティ機械翻訳は使用禁止。
  • GDPR 等、法律の遵守(GDPR は欧州住民に関する法律なので、日本でフリーランスの仕事をしている限りはあまり関係なさそうだったのですが、海外と取引する場合は内容を一応知っておいた方がいいかも?)。
  • 作業を下請けに出す場合は翻訳会社の同意を書面で得ること。この契約書に記載の内容を下請けに遵守させること。

 

いずれも、業界としては暗黙の了解だよね…? という感じですが、トラブル防止のために明文化されていた方がいいですよね。もし、納品物を他社に送る翻訳サンプルとして使うべからず、っていう具体例が機密保持の項目に書いてあったら、そんなトラブルがあったんだなぁ~って想像しちゃうぞ。

会社によっては、契約書違反には結構な額の罰金を請求するとも書いてあるので、怖いなぁと思ったのでした(もちろん、違反しないから大丈夫だけどね)。ソフトウェアの使用規約は読み飛ばしてしまうことが多いのですが、契約書はきちんと読みましょう!契約書はきちんと読みましょう!契約書はきちんと読みましょう!(大切なことなので 3 回言います)

 

なお、何年も前に交わした契約書には、機械翻訳GDPR に関する条項はありませんでした。契約当時は機械翻訳の精度も低くて実務で使おうという人もいなかったし、GDPR も制定されていなかったんですよね。

しかしその後、機械翻訳の使用に関しての注意喚起など、契約内容に関するフォローアップが同社からメールで来ていたのでした。BCC で送られてくる当たり障りのないマンスリーニュースレターかと思っていたら時々重要な情報も含まれているので、気を抜けません~。