もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

光文社新書: いち翻訳者オススメの 5 冊

Kindle 冬の 50% ポイント還元キャンペーンで光文社新書が還元対象になっていたので、以前読んで仕事に役立ったな...と思う光文社新書を 5 冊ほどご紹介します。

キャンペーンは 12月17日(木) までなので、購入はお早めに。

 

1. 文章は接続詞で決まる

日本語の接続詞の使い分け小辞典的な 1 冊。訳文の効果的なブラッシュアップに。

英日翻訳では、接続詞は 1 対 1 で対応させて訳せば問題ない場合が多い。しかし、常々感じているのは、書き手やコンテンツにもよるが、英語と日本語では接続詞(的なもの)の使いどころ、使用頻度に違いがある、ということ。英語が文をただ羅列するだけに対し、日本語は接続詞を伴って文と文の間の関係を示す場合が多い。日本語に訳す際にうまく接続詞を補えれば読みやすい文章になるかもしれない。日本語と英語の接続詞の使い方の違い、は個人的にじっくり時間をかけて考えたいテーマ。

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

 

2. 「事務ミス」をナメるな!

ミスの起きるメカニズムの分析から始まり、そのミスに対する防止策の立案、対策を継続していく仕組みの作り方を学ぶことができる。掲載されているのはよくあるミスのうちの一握り…で直接的に役立てることができないものも多いが、本書の考え方はかなり広範に応用が利く。

翻訳業務で言うと、誤字・脱字、メールの送り忘れ、ファイルの添付漏れ、ファイルのバージョン管理ミス、ファイルの保存ミス、etc. といった翻訳能力自体とは関係のないミスも起こりがち…というか実際にやった経験があるが、そんなミスを犯したときに「次は気を付けます」だけではなくて、実効性のある対策を考えるのに役立った。

マニュアルに焦点を当てた同著者の『「マニュアル」をナメるな! 職場のミスの本当の原因 (光文社新書)』もオススメ。

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

  • 作者:中田亨
  • 発売日: 2011/01/18
  • メディア: 新書
 

3. 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

タイトルがちょっと誤解を招くかもしれないが、字幕翻訳家によるお仕事エッセー。日本語が変!というのはメインの主張ではなく、お仕事成分多め。

辞書をめっちゃひく話、句読点が気になる話、使用できる漢字の制限 (常用漢字を使う、漢字を開くかどうか)についての愚痴、差別語の扱い方のあれこれ、想定視聴者に合わせた訳語決定の話…など、字幕翻訳以外のジャンルの翻訳者もわかるわかる~~~となる話が盛沢山。

自分にも似たようなエピソードはあるけど、これを少し毒を交えつつ(?)面白く書けてしまうのがすごいなぁ、と太田さんの著作を読むたびに思う。

Kindle Unlimited 読み放題対象。

4. 辞書を編む

国語辞典の編纂過程を追体験できる 1 冊。辞書に載せる言葉はどこから探してくるのか、語釈はどのように考えるのか、各辞書の特色は、など、辞書に対する理解を深めるのに最適。

各辞書の使い分けや特色などは翻訳者ならば当然情報収集しているよ、かもしれないが、そこを辞書編纂者の視点からさまざまなエピソードを交えて語っているのが本書の読みどころ。

Kindle Unlimited 読み放題対象。

辞書を編む (光文社新書)

辞書を編む (光文社新書)

 

5. 元国税調査官が明かす金を取る技術

税金を取るなら情報弱者から、と税制の思想を説く(本書で示される数字の扱いに疑問点はあるが…)。

フリーランスになってからというもの、開業届を出したり、青色申告したり、記帳指導を受けたりと、以前より税務署に行くことが増えた。必然的に税のこと(節税のみならず、税の使い道)を考えることも増えた。フリーランスの諸先輩方が政治に厳しい目を向けているのは当然だし、自分も税や政治のことを勉強せねばならないのだ…。

Kindle Unlimited 読み放題対象。

元国税調査官が明かす金を取る技術 (光文社新書)
 

 

 

なお、上記の中には Kindle Unlimited で読める本も多いので、Kindle Unlimited への登録もオススメです↓。他にも光文社新書の多くが読み放題対象になっています。