JTF Online Weeks (JTF翻訳祭29.5) をぼちぼち視聴しています。聞きたいと思っていたセッションの 7~8 割くらいは既に聞けたかな?
意外にも面白かったのが『IT スタートアップにおけるローカライゼーションの重要性』というセッション。
このセッション、タイトルからしてソースクライアント向けに思えるので、リアル翻訳祭だったら別のセッションを聞きに行っていたに違いありません。が、オンライン開催のおかげで他のセッションと時間が被っていないのでとりあえず聞いてみたわけです。一応、IT 系の翻訳をやっているので何か参考になるかな?と。
セッション全体としては、日本に進出する外資系企業のローカライゼーション事例紹介のようなもの。タイトルに「IT スタートアップ」とありますが、IT スタートアップに限らず日本進出しようとする企業に少なからず当てはまる内容だと思いました。
リソース (人材、予算、時間) が限られる中で、どのようにローカライズを進めれば高い成果を出す (売上につなげる) ことができるのか。実際の経験から考察された内容は非常に有益な情報で、翻訳会社 (翻訳者) が営業をかけるときにも参考になりそうです。以下、講演中のメモ:
- ローカライズ予算を本社が握っていたり (本社が MLV にローカライズを発注したり)、予算が地域ごとに設定されていたり→日本支社に単純に翻訳の営業かけても案件が取れない
- 社内で MT (+PE) を試す→コストカットのためにクライアント自身が MT を試して、満足がいかなかったら翻訳会社に依頼という流れ。翻訳会社は MT 以上の翻訳が求められる
- そのドキュメントのローカライズが業績にどの程度寄与するかで優先順位を付ける→ローカライズの目的=売上 (業績) につなげること。ローカライズすること自体が目的になってはだめ (翻訳しました! というエクスキューズのために機械翻訳してある Web サイトをよく見るけど。あれにお金を払っているとしたら無駄だよなぁ)
- ローカライズの成果 (ホワイトペーパーのダウンロード数、ページ PV、メール開封率など) の測定→ローカライズ予算を獲得するための根拠