もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

モニターもお金で買える実力!!!(特に産業字幕翻訳!)

皆さんはどんなモニターを使ってらっしゃいますか? 大きい? 複数?

 

翻訳業には、「辞書はお金で買える実力」というフレーズがありますが、モニターもお金で買える実力だなぁと最近つくづく思います。

モニターへの投資は「快適さ UP」や「効率化」のメリットがあることは簡単に想像がつくでしょうが、「実力」とは。実は、モニターを整えることで、誤訳をぐっと減らせる分野があるんですよ…と私は主張したいのです。

モニター投資のメリット

とりあえず、モニターに投資するメリットをいくつか挙げてみます。

モニターにもいろいろ特徴がありますが…

大きなモニター

  • 大きく表示できる: 見やすい、見間違いが減る
  • 一度に多くのウィンドウを表示できる:  ウィンドウ間の移動時間短縮

複数のモニター

  • 一度に多くのウィンドウを表示できる: ウィンドウ間の移動時間短縮

高機能なモニター

  • 明るさや色を調整できる: 見やすい、目が疲れにくい
  • 高さや角度を調整できる: 疲れづらい
  • その他 (USB ポートがあってキーボード、マウス、スマホなどをつなげる、など…)

ざっとこんな感じでしょうか。

良いモニターにすれば確実にメリットはあるのですが、現在特に困っていなくて、費用対効果もよく分からない…となると、投資しづらくはあります。

産業字幕翻訳にはモニターの大きさと枚数への投資を激しく推奨

最近、字幕翻訳が増えている

最近、企業のオンラインイベントが増え、イベントの様子が動画サイトに投稿されることも多いです。

それに伴って、産業字幕翻訳の翻訳、レビュー共にご依頼が増えています。最近字幕案件を初めてやった、という方もいらっしゃるのでは?

字幕翻訳の落とし穴

レビューをしていると、普通のドキュメントなら完ぺきに訳せる (と聞いた) のに、字幕だと誤訳が頻発、という方がいらっしゃいます。「口語は苦手」とか「マーケティングっぽいのはちょっと…」という理由も聞きますが、そういう問題ではなく、なぜか、動画を見れば一目瞭然なことが誤訳されているのです。

1 人、2 人であれば、ちょっと実力のない人かな、で済むのですが、何人も見るとどうして??????となります。

 

そこではたと思い至ったのが、もしかして動画をきちんと見ていない?という推測です。見さえすれば、正しく訳せるのに!?!?

 

その誤訳には特有の原因がありそうです。

 

産業字幕翻訳は産業翻訳 (実務翻訳) 会社が扱い、産業翻訳者に依頼されることがままあります。

ソースクライアントは大抵、ドキュメント翻訳でお世話になっている翻訳会社に自社動画の字幕翻訳も依頼します。産業翻訳会社は、字幕翻訳者を抱えていないので、産業翻訳者に依頼します。しかし、字幕経験豊富な産業翻訳者がまだ少数派です。

 

そして、その産業翻訳者なのですが、、、(あくまで推測です)

  • 原典や参考資料を見る習慣がない?: 産業翻訳って、あまり参考資料を見る機会がない気がします。そもそも用意されていなかったり、提供されてもほとんど関係ない内容だったり。原典ファイルの中身はテキストで、翻訳ファイルと同一内容だったり。もしかして、参考資料を当てにしていなくて、見ていない人が結構いる?
    そもそも報酬が安くて参考資料なんて見てられるか、なんてことも…あるある。
  • モニターに投資していない?: やろうと思えば、ノートパソコンのコンパクトな画面でも翻訳できてしまいますからね。それまで不便に思ったことがなければ、案外そんなものかも。

モニター投資は本当にお勧め

しかし! 字幕を訳すのであれば、翻訳ファイルと原典動画を常時同時に見られるようなモニター環境を強くお勧めします!

環境を整えないと、動画と翻訳ファイルの行き来が本当に面倒くさく、かといって面倒くさがって動画確認をサボると誤訳が発生しがちだからです。

 

産業字幕翻訳でモニターに投資するメリットはこんなかんじ。

  • 動画確認が面倒でなくなる: 動画を 10 秒みて翻訳し、動画を巻き戻してもう一度確認し…翻訳しなおし…としていると、だんだん、動画の確認が面倒になってきます。効率悪いし、ストレスになるし、誤訳の原因にもなりますので、面倒は解消しましょう。
  • 速く訳せる: 動画にはヒントがいっぱい詰まっています。意味の分からない単語が実は製品名や UI で英語のままにしておけば大丈夫、とか。Web で検索する前にまずは動画を見ましょう。産業字幕の原点テキストにありがち? なのが、全部小文字で、カンマやピリオドなし、どこからどこまでが文なのか分からない事態。字幕を人間が書き起こしたのではなく、機械が書き起こしたのでしょうか。これも動画を見れば結構すぐに解決します。
  • 言い間違いを発見できる: 人間はよく間違うものです。「Turn left」と言いながら回れ右していたり、「Create a folder」と言いながらファイルを作成していたり…。簡単な文だから動画を見なくても訳せるよ、じゃなくて、数秒のフレーズだから、ちゃちゃっと動画を確認しちゃおう、が良いと思うのです。でもって、明らかな矛盾を発見したら、一応クライアントに申し送っておいた方が。この人、注意力がない? と思われるのもなんですし。

でもって、どうせモニターを買うなら大きなやつを。産業字幕動画、パワポ使いがちです。小さい画面だと文字が大変読みづらいので…。

モニターは結構安い

モニターはいいぞ!!!これまで主張してきたわけですが、おいくら万円か説明していませんでした。

 

例えば、検索したらすぐに出てきたこれ ↓ なんか 31 インチ超で 2 万円ちょっとです。お安い。スマホ買うより圧倒的にお安い。※でもこれをお勧めしているわけではないです。使っているパソコンによっては、接続できる端子がないこともあるので。モニター購入の際はよく確認してください。

 

ちなみに、私のモニター環境はこんな感じです。

左から、27 インチ、21 インチ(?)、24 インチ(?)。真ん中は、小さいけれど縦にも横にもできて便利。これに加え、必要に応じてノートパソコンの画面も使って作業してます。

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