仕事の参考図書として毎年読んでます。
IT 市場の現在と今後 5 年間の予想がぎゅっとまとまっています。とはいえ、これをすべて読もうとするとかなり眠くなるのですが…。
先日参加した読書会で今読んでいる本として紹介したところ、読んでみたい! と意外にも IT 業界以外の人からの好反応があったので、その辺もご紹介します。
仕事での活用方法
IT 分野の翻訳を引き受けるにあたって、本書を役立てているポイントはこんな感じです。
①IT 市場の動向のチェック
冒頭で、今後 5 年間の ICT・メディア市場でどんな動きがありそうかについて、まるまる 1 章使って分析されています。2020 年版で取り上げられたのは、小売業界における DX、パーソナルデータ流通および情報銀行、中国 5G 市場、RegTech、宇宙ビジネスなど。今後、そんなトピックのお仕事が来るかも~? と期待して読みます。
過去の IT ナビゲーターでは、今では一般にもおなじみのビッグデータ、VR、AI、ブロックチェーンなどの概念が早い段階から取り上げられていました。
②最新の用語 (訳語) のチェック
デバイス市場、ネットワーク市場など各市場分析では、知らない用語をチェックしていきます。
翻訳中に知らない用語に出会ったとき、英語のまま残す? カタカナにする? それとも何か定訳がある? という判断に悩むことがしばしばあります。インターネットを検索してもいいかもしれませんが、最近は機械翻訳されたページや、ライターの専門性に疑問があるニュース/ブログページも多く、見つかった訳語が本当に業界で使われているのかどうか、さらに悩んでしまうことも。
その点、IT 業界のコンサルタントが著している本書で使われていれば、安心できるというものです。
巻末に索引があればもっと便利だったのですが。
③文体の参考
ときどき依頼のあるホワイトペーパー・リサーチペーパー翻訳の文体の参考に。エンドユーザー向けの文書をしばらく訳していると、ホワイトペーパーのようなカチっとした文書の文体を忘れがちです。「見込まれる」「期待される」「断念する」「訴求する」など、便利な言い回しがあれば頂戴します。
読書会での反応
IT 業界以外の人は全く興味を持たないのでは? と思っていた本書ですが、潜在読者は案外幅広く存在していそうです。
IT 市場を細分化して、各市場について現在~ 5 年後のトレンド・市場規模を予想しているというのがササったようで、株式投資の参考になるかも!とか、業界研究に! など会話が盛り上がりました。
他にも、自動車、教育、金融、スポーツ、医療、農業、漁業などで使われるテクノロジーも紹介されており、興味の対象になりそうです。