もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

各国の「姓」事情について認識アップデートすべきかも

最近は、各国/地域の氏名の由来や名付け方法について調べものをしています。

 

そこで実感したのは、氏名の由来や名付け方法は地域や文化によって千差万別。のみならず、時代によっても、ずいぶん変化していることです。

 

知っておかなければまずいと思ったのが各国の夫婦別姓に関する動きです。

※日本でも夫婦別姓に関する議論が盛んにおこなわれていますが、このブログでは踏み込みません。

 

学校の授業では外国の氏名の事情について詳しく教えないので、教師も生徒もあまり重要に捉えていないように思います。実際、私が学校で習ったのは、英語で既婚女性には Mrs + <夫の姓> で呼びかける、くらいです。

でも、その常識はどうやらもうずいぶん古いらしく…。

 

英国や米国ではすでに夫婦別姓が可能となっています。結婚した際には、夫婦同姓 (夫の姓、妻の姓、複合姓、まったく新しい姓) と夫婦別姓 (元の姓、複合姓) の選択肢から選べるのだとか (とはいえ、夫婦同姓で夫の姓にする割合が多いらしい)。

つまり、既婚女性に対する呼びかけが Mrs + <夫の姓> であるとは限らないし、結婚した人は夫婦同姓になると思い込んでいると人間関係を読み違えるおそれがあります。

 

現時点での各国の状況は、次の Wikipedia リンクのとおり。

夫婦別姓 - Wikipedia

ヨーロッパでは、1980 ~ 90 年代に夫婦別姓を認めるようになった国が複数あります。その後、2000 年以降になっても姓に関する法改正をした国があり、夫婦別姓の選択肢が広がっています (別姓を選ぶ割合も徐々に増えている様子)。

 

今まではあまり気にしていなかったのですが、今後、海外の文芸作品や、映画、ドラマには夫婦や親子で別姓のキャラクターが増えていくのでしょうか? だとしたら、各地の「姓」の事情について知っていた方がスムーズに作品を楽しめるようになるかもしれません。

私の場合、英日翻訳の仕事をしているので英語の文書をそれなりに読むのですが、その文書に登場するのは英語文化圏の人に限りません。翻訳が必要なテキストを深く理解する (誤読しない) ためにも、さまざまな国の姓事情を広く浅く把握しておきたいな、と思った次第です。

 

参考図書: 『夫婦別姓 ――家族と多様性の各国事情』

上に挙げた Wikipedia の記事は各国の状況を簡単にまとめただけのものですが、この本では夫婦同姓が求められていた歴史・文化的背景や、夫婦別姓が認められるにいたった経緯なども含めて知ることができます。