もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

読書:『プラスチック・フリー生活』

 

 

プラスチック。

海洋に流出したり、投棄されたりした画像や、それを食べて傷ついた動物たちの画像は見るたび衝撃を受ける。

マイクロプラスチックについて耳にすることも増えた。

 

盛り上がり始めている「脱プラ」について、実際に取り組んでいる個人が、何を考えてどのように行動しているのかを知ることができるのが本書。

 

軽くて、加工が容易で、水に強くて…と便利なプラスチックだが、その特性を生み出すために、さまざまな添加剤が付加されている。その添加剤が、発がん性物質や、内分泌攪乱物質などを含んで有害だというのだ。

本書の前半では多くのページが各種プラスチックに含まれる有害物質の説明に割かれており、著者が化学的危険性を重く見ていることがわかる。

報道では海洋汚染などの物理的危険性を訴えているパターンが多い (画になるから?) が、脱プラには化学的な面からも推進すべき動機があるようだ。

とはいえ、健康への影響についてはまだはっきりしていない点が多そうなので、早く白黒つけてもらいたい。

 

本書後半は実践編。個人レベルでプラスチック使用を減らしていく方法について、アイテムごとに細かく紹介されている。

ざっくりまとめれば、「プラスチック製品と、プラスチック以外を使った製品があれば、プラスチック以外をできるだけ選ぶようにしよう」、「プラスチック包装されていない製品を選ぼう」となるだろうか。

ただ、日本ではお店に行っても「プラスチック以外」の選択肢がそもそも置かれていないことが多くて、難しい。

 

脱プラの動きはこれからも進展していくに違いない。脱プラの化学的動機、海外の個人/団体の取り組みについて知れたのが本書の収穫。