もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

ChatGPT 関連の本・雑誌を乱読

ChatGPT がいろいろな場所でよく話題に上るようになって、もう半年くらい経つでしょうか。

 

仕事でも生成 AI 関連の文書 (ケース スタディや、生成 AI を組み込んだアプリのドキュメントなど) を訳すことが増え、流行を感じています。エンジニア向けの文書だけでなく、一般向けの読み物もたくさん出てきて。ビッグデータが流行ったときのことを思い出します。

 

あまりにも ChatGPT が優秀なので (本当か?) AI に仕事を取られちゃうね~~~なんて言われることもありますが、実際どうなのか?を知るために、時間をとって、ChatGPT について書かれた本や雑誌記事をまとめて読んでみました。

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

ChatGPT について知っておくべきポイント (できること、できないこと、使用上の注意点、技術的なバックグラウンドなど) を順序だてて網羅的に説明してくれています。

ニュースや雑誌、情報サイトなどで入手できる情報と大きく変わりませんが、それらの情報源は大抵、広く浅くか狭く深くなので、全体像をまんべんなく知るには、このような書籍がお勧めです。ビジネスマン向けなので、技術的知識を持っていなくても読めます。

AI が生成した文章を見分けられるのか? AI を使って権利侵害になる可能性は? 生成 AI によってなくなる仕事はある? など、仕事をするうえで押さえておきたいトピックも。

とりあえず1冊目に読む本としてお勧め。

週刊エコノミスト 2023年3月28日号

生成 AI の革新性の解説記事、実際に使ってみて分かった課題点コラム、生成 AI の仕組みの解説記事の 3 本立て。経済雑誌として ChatGPT の特集記事を組んだのは早い方か。発売当時は有益な情報だったかもしれないが、今読むと新鮮味がないかも。

週刊東洋経済 2023/4/22号(ChatGPT 仕事術革命)

生成 AI を開発している各社の動きや、日本企業での生成 AI の導入状況や今後の動きの予想、商品やサービスでの具体的な使用例など、ビジネス視点の記事が多い。

日経PC21  2023年6月号

豊富な図版で PC の便利な操作方法を教えてくれる雑誌。ChatGPT と Bing の AI チャットの使い方をスクリーンショット付きで丁寧に解説。AI に対して試してみた質問と得られた回答の例も多数掲載されているので、使うとどうなるかがわかる。仕事で使う例というよりは、日常生活で使う例が多めかも。

DIME 2023年 7月号

読みどころは、企画書のフォーマット案作り、企画のアイデア出し、ネーミング候補の提案、資料の要約、誤字脱字確認、お礼メール作成、データ処理自動化、英語学習支援など、日常業務での活用例がプロンプトと一緒に多数載っているところ!仕事を効率化したい人にお勧め。

GoodなプロンプトとBadなプロンプトの出力比較もあり、プロンプトづくりが苦手な人の参考になるかも。

大手 IT 企業の AI 開発の最新状況や狙い、生成 AI の性能比較などの記事も面白かった。

ニューズウィーク日本版 6/6号 特集:ChatGPTの正体

日本人執筆者の記事と、海外執筆者の記事 (の翻訳) が読めるのが特徴。日本人執筆者の方は、技術的なことは専門ではないからか、突っ込みを入れたくなる点もあり  (特に 1 人は検索エンジンの代替としか考えていないのでは疑惑)。

海外執筆者の記事は、生成 AI によって自身の専門分野 (諜報、教育) がどのように変化するかを考察しており、興味深かった。

COURRiER Japon 2023年 7・8月号

こちらは海外記事の翻訳オンリー。

世界の専門家の AI ツール活用事例 (AI に質問をして回答をもらうというより、アイデアを出してもらう、フィードバックをもらうといった事例がほとんどなのが興味深い) や、海外企業の AI 活用事例、障害者の自立支援事例、歴史学者とコンピューター科学者によるオピニオン記事、グーグルCEOへのインタビューなど。