もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

この会社を知らないと IT 業界のモグリ?

IT 関係の文書、ケーススタディなんかで、よく登場する会社がある。

 

何社かあるのだが、中でも有名なのは Contoso 社だろう。Wikipedia にも項目が立てられているくらいだ。

ja.wikipedia.org

 

同社はパリに拠点を置く本社を置く多国籍企業で、多数の製品の製造、販売、サポートを手がける。従業員多数、支社も多数、インフラは大規模…というわけで、IT 業界にいるといろいろな場面で遭遇する。

Contoso 社の概要はこちらのページが詳しい。↓

docs.microsoft.com

 

上記いずれかのリンク先をご覧になればお分かりだろうが、Contoso 社は、Microsoft がサンプル用に使う架空の企業だ。

ちなみに、Microsoft には Contoso 社以外にもサンプル用の架空企業や組織がいくつか存在する。A.Datum 社、Fabrikam 社、Litware 社、Proseware 社、Adventure Works 社、Tailspin Toys 社、Trey Research 社、Wide World Importers 社、Tailwind Traders 社、First Up 社、Alpine Ski House 社、Humongous Insurance 社、Bellows College などなど… (いくつかどころじゃないな)。

Contoso 社はこれらの企業とパートナー関係にあったり、サービスを提供していたり、と友好的な関係を築いていることもあれば、他社を買収することも。大抵は Contoso 社は企業買収をする側なのだが、時々、逆に買収もされている (Microsoft 以外が制作した文書に多いように思われる。こちらとか)。

 

これらの架空企業は意外にも (?) 企業規模や IT システムのアーキテクチャなどの設定がよく練られている。いつも特定の企業に買収されていたり、ネットワークインフラが貧弱で問題を抱えていたり…。見かけるたびに、ここはいつも最新システムに投資しているな!と感心する会社もあれば、ここの IT 部門はダメダメだな…と同情してしまう会社もある。ただの架空企業と侮るなかれ、追っかけてみると奥深いのだ。

 

 

さて、どうしてこんな架空企業の話を思いたったかというと、先日読んだ『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』という本が面白かったからだ。

本書はさながら大人の自由研究みたいな連作集。10 年間放置されていた飲みかけのペットボトル紅茶は飲めるのか?入浴剤「バブ」の音はなぜ他の入浴剤よりも心地よいのか?「機関車トーマス」の事故発生率は?など、些細な疑問に本気でデータを収集して取り組んでいるのが素晴らしい。

特に気に入ったのが、「取扱説明書554冊からたどる或る男の人生」だ。ドコモの携帯の取扱説明書には、ドコモ太郎なる人物がいつも登場するらしい。多数の取扱説明書をくまなく確認し、ドコモ太郎が送ったメールの内容を見ていくと、ドコモ太郎の思わぬ人生が明らかに…。

 

私はさすがに本書のように徹底的に調査はしないけれど、Contoso 社ウォッチング、続けています。