もはある日記

岡山県の西端で、英日翻訳をしています。ここに「も」ステキなもの「は」いっぱい「ある」よ!

読書:『「AI で仕事がなくなる」論のウソ』

機械翻訳が普及したら翻訳者は要らなくなる!なんてことがずいぶん前から言われていますが、なかなかなくなりませんねー?

 

そこで、本日紹介するのはこちらの本です。

 

 

なかなか煽るようなタイトルですが、内容はけっこう読みごたえがあります。

 

この本ならではなのが、3 社の大手企業の社員にインタビューして、事務、営業、流通実務で AI を導入して人間の仕事を削減する余地はあるのかを検討するセクションです。

技術的に AI で代替可能な仕事に関する議論はさまざまな場所で (多くは机上で?) なされています。しかし、AI の導入コストを考えると AI で代替しない方がよい作業や、AI で代替可能でも人がやったほうが効果的な作業 (例: 督促はメールや機械音声よりも人 (肉声) の方が回収率が高いらしい) などを実務者の意見を踏まえながら明らかにしていくプロセスは、自身の仕事の将来的な AI 代替性を考えるうえで参考になります。

 

本書は 2018 年刊なので、少し内容が古いかなぁと思う部分も多少あります。この先 15 年の雇用を予想していて、もう 1/3 近く経過していますから…。

コロナで対面の重要性もある程度減りましたし、本書では機械音声は肉声には勝てないという位置づけでしたが会話型 AI もずいぶん進化しているようです (こんな事例も… Googleマップを名乗る03-4567-0700の電話、実は公式の会話AI | ツギノジダイ)。

状況は刻々と変わるので、新しい情報をキャッチアップしていきたいものです。