カタカナ英語、和製英語、というものは、そのままじゃネイティブに通じませんよ、こまったものですね、という文脈で語られがちです。
確かに、和製英語を英文の中で使ってしまうのは良くないのですが…、日本語の文章の中でうまいこと使えれば、日本人が書いたような自然な日本語らしさを持った文になるんじゃないかなと思うのです。一般に普及している和製英語にはそれだけ言葉としての力があるんじゃないのかなー、と。
そんなカタカナ英語の使い方を考えるときの参考になるのが本書『こまったカタカナ英語』。
カタカナ英語が 100 項目、そのカタカナ英語を英語として表現する際の文例が豊富に載っています。
例えば、「アットホームな」。これを表すピッタリな英語として「cozy」が挙げられていますが、一方、英和辞書で cozy を引くと、語義に「居心地の良い」「くつろいだ」「楽な」とはあっても、「アットホームな」はありません。これらの語義から「アットホームな」にたどり着くには、類語辞典を経由する必要があります。
他の例を挙げると、「レベルアップする」。「レベルアップする」を表すために、「improve」や「progress」を使った訳例が紹介されています。「improve」や「progress」を「レベルアップ」と訳せるかどうかはかなり文脈に依存するので、英和辞書でこの訳例を見かけることはありません。類語辞典を使っても、たどり着けるのかしら…?
ぜひマネしたい、和訳に使えるアイデアが詰まった 1 冊でした!